火災の燃焼原理と消火方法

身近な火が、油断をすると火災に変わる

私たちの生活の中で、「火」は最も身近な存在です。
お湯を沸かしたり、料理をしたり、お風呂に入ったり。
普段何気なく生活している中で、火がないと出来ないことは多々あります。

しかし、便利な反面、油断していると火は最も危険なものに変化します。
昨年一年間だけでも全国の出火件数は36,000件を超え、1,400人以上もの命が火災により失われてしまいました。

ここでは、火が燃えるための燃焼原理と、消火のメカニズムをイラストを交え見ていきたいと思います。

燃焼に必要な3つの要素

燃焼には、3つの要素が不可欠です。

「可燃物」

可燃物はその名の通り「燃える物質」です。
代表的な例で言うと、木や紙で出来たもの、アルコールやマニキュアの除光液、油などのいわゆる有機化合物などが可燃物にあたります。

可燃物の例

「酸素供給体」

酸素は空気中だけでなく、酸化剤に含まれていたり、セルロイドなどの物質の中に含まれていたりします。酸素を供給するものを「酸素供給体」と呼びます。

酸素供給体の例

「点火源」

点火源は、火気や火花、静電気などの熱エネルギーを指します。
これをきっかけにし、燃焼が始まります。

点火源の例

「可燃物」+「酸素供給体」+「点火源」が全て揃うことで燃焼が起こります。
裏を返せば、この3つの要素のうち一つでも欠ければ、燃焼が止まります

燃焼の四要素と4つの消火方法

火災の基本として、「燃焼の四要素」というものがあります。
「燃焼の四要素」とは、可燃物酸素供給体点火源に、「燃焼の継続」を加えたものを指します。

火災時には、火を消していくと同時に、継続(拡大)させないことが最も重要です。
火災が発生した際に使用する消火器には、この燃焼の四要素のいずれかを取り除く消火薬剤が含まれていて、炎を鎮火させることが出来ます。

燃焼の四要素と消火法

可燃物を絶つ「除去消火法」

燃焼するもの自体をなくしてしまう消火方法です。
例として「ガス火災時に、もととなるガスの元栓を締める」、「山林火災時には燃え広がらない様、木を伐採する」などがあります。
どちらも大元となる「ガス」や「木」といった可燃物を除去することで火災を食い止めます。
消防技術がまだあまり確立されていなかった江戸時代には、火事になった場所の周辺にある、燃えていない家を壊すなどして火災の拡大を防いでいました。

酸素を絶つ「窒息消火法」

燃焼している所への酸素の供給を遮断して消火する方法です。
ろうそくにコップをかぶせることで火が消えるのと同じ原理です。
粉末や泡、二酸化炭素ガスなどが含まれた消火器で酸素の供給を絶ちます。
酸素は、空気だけでなく、酸化剤中の酸素や、可燃物中の酸素なども含まれます。

点火源を絶つ「冷却消火法」

燃焼している物質へ、水などをかけることで燃焼物質の温度を下げ、冷却消火します。
スプリンクラーなどの消火設備や、水・泡系の消火器などに冷却消火の効果があります。
消防車を使用した放水などの場合、水で温度を下げる冷却消火にあたりますが、同時に勢いよく水を放射することで、酸素を遮断する窒息消火の面もあります。

燃焼の継続を防ぐ「抑制消火法」

抑制消火法は別名「負触媒法」とも言います。
物質は燃えると連鎖的に化学反応が起こり、燃焼が拡大していきます。
その化学的連鎖反応を止める方法が抑制(負触媒)消火法です。
ハロゲン化物には負触媒作用があり、消火剤成分として活用されてきました。
しかし、1994年1月1日からハロン規制が行われたため、現在はハロゲン化物を使用した消火器の新規製造はされていません。
現在製造されている消火器の中では、霧状の強化液や、粉末系の消火器にこの抑制消火の効果があります。

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